プログラミングというのは究極的には「計算機」なので、様々なデータを扱って答えを算出することができます。しかしそれらを使いこなすには「データの型」と呼ばれる、データの種類を知っておく必要があります。
- 文字列(string)
- 数値(int)
文字列を「文字列型」や「string型」、また数値を「int型」と呼んだりしています。この記事では最も基礎的でよく使用する「データの型」について、サンプルを交えて解説していきます。
良く使われるデータの型
まずは良く使われる、もしくは、この講座で使用するデータの型を一覧形式でサッと紹介したいと思います。以下に挙げるものは是非とも覚えておくべき型になります。
キーワード | 型の意味・概要 |
---|---|
string | 文字列を扱うことのできる型 |
int | 数値(整数値)を扱うことができる型 |
double | 小数点などを含めた幅広い数値を扱うことができる型 |
bool | 真偽(True / False)を扱うことができる型 |
他にも様々な型が存在しているので、気になった人はMicrosoftの公式ドキュメントを見てみましょう(難しくて何が書いてあるかわからないと思いますが、「調べたい!」と思った気持ちが重要です)。
では、上記に挙げた型を、実際にコードを書きながら見ていくことにしましょう。
型をサンプルで説明
では、先ほど紹介した以下の4つのデータ型について、実際にプログラムのサンプルを作りながら学んでいきます。数値型であるintとdoubleについては、一気にチェックしていきます。
- string
- int / double
- bool
C#でプログラミングに取り組む上で必須知識になるので、理解できるまでサンプルを書き直すなどしてみてください。
string型
まずは文字列型であるstring型から紹介します。string型は文字が連なったデータを表します(もちろん一文字でも文字列になります)。特別な使い方はありませんので、string型の使用方法はこれまでと同じです。「”」で挟まれた部分を文字列として扱うのがC#では一般的かなと思っています。
以下、コンソールアプリケーションでのサンプルになります。
string message = "Hello World!";
Console.WriteLine(message);
Console.ReadLine();
これについては、これまでと同様のサンプルになります。今回、追加で知っておいてほしいことは「文字列の足し算ができる」ということです。演算子の回では数値の足し算などをしましたが、実は、文字列も足し算をすることができるのです。
string hello = "Hello";
string world = "World";
string displayText = hello + world;
Console.WriteLine(displayText);
Console.ReadLine();
上記のサンプルでは2つの変数「hello」と「world」を足し算して、別の変数「displayText」を作成してコンソール画面に文字列を表示させるようにしてみました。出力結果は「HelloWorld」になっていたと思います。
こうしたように文字列と文字列を足し合わせることを「文字列結合」と呼んでいます。文字列と文字列を結合して一つの文字列にするからですね。ではサンプルを以下のように書き換えて、正しいメッセージにするようにしてください。
string hello = "Hello";
string world = "World";
string displayText = hello + " " + world + "!";
Console.WriteLine(displayText);
Console.ReadLine();
上記のように処理を書き換えることで「Hello World!」が画面上に表示されるようになりました。
int型 / double型
この講座では「int型」が主に登場してきましたが、一覧内には「double型」も登場させました。守旧者レベルではint型をよく使うのですが、整数値しか値を設定できないので使用可能な範囲が狭いといいうデメリットがあります。
小数以下を含めて様々な値が出てくるようなアプリケーションを作成する場合は、double型を使って対応するようにします。double型のほうが使用可能な数値の幅が広いため、多彩なアプリケーションに対応することができます。int型とdouble型のサンプルは以下の通りです。
int intNumber = 10200;
Console.WriteLine(intNumber.ToString());
double doubleNumber = 102015.0015;
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString());
上記のサンプルではint型とdoouble型に値を入れて、文字列に変換して出力するようにしています。補足になりますが、int型は以下の範囲の整数値を設定することが可能です。
-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647
これでも十分の広いので、一般的な数値計算で困ることは少ないのですが、小数点が発生するような場合はint型だと情報が落ちる(桁落ち)が発生することがあるので注意が必要になります。アプリケーションの構築段階で小数をとりえる場合は、それを加味して型を決めるようにしましょう。
bool型
string、int、doubleときましたが、最後に紹介するのが「bool型」と呼ばれる型です。「ブール型」と呼んであげてください。聞き覚えがない型になりますので、理解に困る人もいると思いますが、この型は「真偽を判定する」ために使います。
真偽とは、いわゆるTrueとFalseであり、「正しい」か「正しくない」のどちらかしか値を持ちません。例えば「入力値は5より大きいか?」という判定文があったとして、入力値が3であれば、3は5より小さいので「偽」になります。対して入力値が7だった場合は、7は5より大きいので「真」の値を持ちます。
bool型は少し特殊な概念になるので、ここではサンプルを紹介しません。「分岐」という条件文の書き方を学ぶ時にサンプルを含めて取り組みたいと考えています。すくなくとも「真と偽を格納できるbool型があったな」とだけ覚えてもらえればと思います。